簿記3級とは?合格率や試験内容、申込方法や取得のメリットを解説!

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目次
  • 簿記3級とは?
  • 簿記3級の合格率・難易度は?
  • 簿記3級の試験内容
  • 合格者に訊いた!簿記3級を取得するメリットは?就職や進学に使える?
  • 簿記3級 2つの試験方式(統一試験・ネット試験)
  • 簿記3級試験の申込方法
  • 簿記3級試験の出題内容の改訂について
  • 簿記3級試験対策の注意点
  • 簿記3級試験のまとめ

会社や学校から簿記3級の取得を推奨されていたり、就職や転職に向けて簿記3級を取得したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

特に、初めて簿記の勉強をする方は、

「簿記3級を取得するメリットはある?」
「初学者でも独学で合格できる?」
「どんな問題が出るの?」

このような疑問が出てくるでしょう。 そこで、本記事では、簿記3級について、以下の項目を詳しく解説していきます。

  • 簿記3級の試験概要
  • 難易度・合格率
  • 簿記3級を取得するメリット
  • 申込方法
  • 簿記3級対策の注意点

これらを参考に、簿記3級受験に向けて必要な知識を理解し、合格へのスタートダッシュを切りましょう!

簿記3級とは?

簿記3級とは、購買活動・販売活動など、企業外部とのお金の取引を記録・計算すること、そして適切かつ正確な報告(決算書の作成)を行うために必要な知識と技術が問われる資格です。

簿記のレベルは、初級、3級、2級、1級という段階になっており、中でも3級は職種や業種に関わらず全てのビジネスパーソンに役立つ基本知識が出題されるため、多くの企業からも取得を推奨され、評価されています。

また、簿記以外にも、ファイナンシャルプランナー(FP)や公認会計士・税理士など、経理・財務系のキャリアを積みたい人にとっても基礎中の基礎となる資格です。

簿記3級の合格率・難易度は?

簿記3級の合格率は例年50%前後を推移しており、初学者でも独学で合格できるため、難易度はそれほど高くありません。

※参考:3級受験者データ(統一試験)|商工会議所の検定試験

弊社が簿記3級合格者に対して行ったアンケートでは、8割以上が1回目で合格していました。この結果からも、難易度がそれほど高くないことが伺えます。

※弊社実施アンケートより

とは言っても、初学者が合格するために必要な勉強時間は100時間程度といわれているため、1日1時間〜2時間毎日対策すると、約3ヶ月間の対策は必要となるでしょう。

また、簿記3級では試験時間が60分と、他の国家試験と比較して短めで、時間内にスピーディーに解く能力も問われます。 合格率が高いからと油断せず、しっかりと対策しましょう。

簿記3級の試験内容

簿記3級の試験には、日時と試験会場が指定されている「統一試験」と、認定機関が実施する随時実施の「ネット試験」があります。

全3問・100点満点で、簿記の基本となる仕訳問題から帳簿や勘定記入、決算処理を踏まえた総合問題まで幅広く出題されます。 詳しくみていきましょう。

試験概要

主催団体日本商工会議所
受験資格なし(年齢・性別・学歴・国籍の制限なく誰でも受験可能)
試験日程統一試験:2月第4日曜日・6月第2日曜日・11月第3日曜日
ネット試験:随時実施
試験地統一試験:各商工会議所が指定する会場 ネット試験:全国のテストセンター
試験時間60分間
合格点/満点70点/100点満点
合格発表統一試験:受験日から1ヶ月前後(商工会議所によって変わる) ネット試験:即時発表
受験料3,300円(税込)+事務手数料550円 ※2024年11月現在の情報です
※参考:簿記3級|商工会議所の検定試験

出題範囲・配点

 第1問第2問第3問
内容仕訳問題帳簿・勘定記入財務諸表・試算表作成 決算処理関連の総合問題
配点45点(3点×15題)20点35点
詳細試験内で指定された勘定科目を使って仕訳を行う。  補助簿、勘定記入、売掛金・買掛金元帳、商品有高帳などの穴埋め。 精算表、財務諸表、決算整理後残高試算表の仕訳。
※参考:商工会議所簿記検定試験出題区分表

▼第1問 仕訳問題のサンプル問題

▼第3問 総合問題のサンプル問題

(※第161回日商簿記3級統一試験模擬問題|Net-schoolより)

合格者に訊いた!簿記3級を取得するメリットは?就職や進学に使える?

簿記3級を取得して得られるメリットは以下の通りです。

  • 上位資格の基礎を固めることができる
  • 社会人として必要な経理・会計・財務の基礎知識がつく
  • 就職や進学時に役立つケースがある
  • 自分の確定申告や会計処理などに役立つ

また、弊社が行ったアンケート結果を元に、簿記3級合格者の意見も踏まえて詳しくみていきましょう。

位資格の基礎を固めることができる

簿記3級試験の上位資格として、2級や1級、さらに税理士や公認会計士などの資格があります。

これら全ての上位資格の、土台となる基礎知識が問われるのが簿記3級試験です。簿記3級の知識を持っていることで、上位資格の対策がスムーズになります。

そのため、今後経理・会計・財務の分野でキャリアアップしていきたい方には、非常におすすめの資格です。

▼合格者の声

試験合格後、簿記2級も取りましたが、3級の前提知識があることで、2級も楽でした。
(40代男性・経営者/役員)

お金の基礎を学べたので金融リテラシーが高まった。次にFP3級の資格を取った際も、簿記の知識が役に立った。
(30代女性・医療関係者)

社会人として必要な経理・会計・財務の基礎知識がつく

簿記3級試験は、全ての社会人に役立つ経理や財務の基礎知識が身につくとして、多くの企業に評価されている試験です。

経理や財務担当として働く人はもちろん、その他の職種においても、「会社としての売上や経費はどれくらいか」「売上を処理するタイミングはいつなのか」「企業の財務状況は良いのか」など、お金の問題について考え、理解することは重要となります。

例えば、営業マンが新規営業先のHPから財務資料を確認・分析し、提案の幅が広がったり、新たに事業を立ち上げる際のお金の動きを明確に記録することでトラブルのリスクを回避したりできます。

▼合格者の声

資金運用など、経済がどのように動くのかの基本を学べたように思う。
(30代女性)

当時経理事務員として働いていたので、実務だけではなく簿記の基礎からしっかり学ぶことができたので、スキルアップにも繋がった。
(30代女性・パート/アルバイト)

保険業界では簿記3級はスタンダードライセンスで必須資格であるし、たまに法人の経理処理について実務で問い合わせがあるのでその時は知識があってよかったと思う。
(50代女性・会社員)

就職や進学時に役立つケースがある

簿記3級を取得すると、就職や進学時に役立つケースもあります。

取得していることが直接採用や合格につながることは少ないですが、社会人としてお金の動きを把握する基礎的な知識があることを示せたり、経理や財務の求人では簿記3級の資格が応募条件になっているケースもあります。

また、就職活動や転職活動の際に、志望する企業の財務状況を読めるようになったりと、リサーチの幅も広がるでしょう。

▼合格者の声

税理士事務所で働きたくて、応募資格が日商簿記3級以上だったので、資格の取得が役に立ちました。
(50代男性・会社員)

就職活動で事務系の職業に応募する時、簿記3級を取得していると応募できる範囲が広がるので、再就職をしようと考えた時に役に立つと思います。
(30代女性・専業主婦)

自分の確定申告や会計処理などに役立つ

自営業・フリーランスの方は、基本的には確定申告や会計処理等を自身で行う必要があります。

仕訳や売上、経費の計算など、日々の記帳業務などに簿記3級の知識を活用できるでしょう。 また、財務諸表の読み方なども理解できるようになると、自社の経営状況について分析し、事業計画を立てたりすることにも役立ちます。

▼合格者の声

試験を通して知識を付けたことで毎年青色申告できるようになったので多額の控除を受けられるようになった。
(30代男性・フリーランス)

個人経営を営んだ際には経理の基礎的なことがわかっていた為経理上の仕事が問題なくできた。青色申告会に加入しなくても大丈夫なくらいに確定申告書も滞りなく済ませられた。
(40代女性・パート/アルバイト)

簿記3級 2つの試験方式(統一試験・ネット試験)

簿記3級には、日本商工会議所が実施する「統一試験」と、認定機関が実施する「ネット試験」があります。

「統一試験」は年3回実施されるペーパー形式の試験で、「ネット試験」は全国の認定機関が独自の日程で随時実施する、パソコンを使って解答する試験です。

両者の違いを表にまとめましたので、ご確認ください。

  統一試験 ネット試験
試験日 2月・6月・11月(年3回) 随時(受験停止期間を除く)
試験会場 商工会議所が指定する全国の会場 全国のテストセンター
試験時間 60分 60分
出題範囲 出題区分表に準ずる 出題区分表に準ずる
解答方法 パソコンに直接入力 解答用紙に記入
受験料 3,300円(税込)+事務手数料550円 ※2024年11月現在の情報です 3,300円(税込)+事務手数料550円 ※2024年11月現在の情報です
合格発表 即日(試験終了後パソコン画面に表示) 約1ヶ月前後 ※商工会議所により異なる
申込方法 ネット申込・会場問い合わせ ネット申込・問い合わせ・郵送など ※商工会議所により異なる

▼統一試験とネット試験の違い

両者の大きな違いは、試験日程・試験会場・解答方式・合格発表方式です。

ネット試験では、受験停止期間を除き、随時自身の好きな日程と会場を選んで受験できるため、融通がききやすく近年普及が加速しています。

 また、解答終了後、合否が即時発表されるため、次に目指す資格への対策にもスムーズに進みやすいでしょう。 地域や商工会議所によっては、「統一試験は団体しか受け入れていない」「個人はネット試験しか受け入れていない」という条件が定められていることもあります。
該当地域の情報をよく確認してみましょう。

簿記3級試験の申込方法

簿記3級試験の申込方法を、統一試験とネット試験に分けて説明します。

統一試験の申込方法

統一試験の申込は受験地の商工会議所の規定に従って行います。

流れは以下の通りです。

1. 試験日と受験地の商工会議所を確認する
受験予定日の2ヶ月ほど前を目安に申込準備をはじめます。
商工会議所検定試験情報検索から、該当の商工会議所を検索しましょう。

2. 申込方法を確認
受験希望地の商工会議所のHP(または電話問い合わせ)にて、受験申込方法や受験申込書の入手方法、受験料の支払い方法を確認しましょう。
窓口・郵送・ネット申込などの方法があり、商工会議所によって異なるため注意しましょう。

3. 受験申込
各商工会議所の規定に従って申込を行いましょう。

▼統一試験の申し込み方法について詳しくはこちら(公式HP)
 日商簿記(統一試験)の申し込みの流れ(各商工会議所窓口)

ネット試験の申込方法

ネット試験の申込は、受験するネット試験施行期間の規定に従って行います。 ※試験日の間際でも受験申込が可能です。

1. ネット試験の会場を確認する
商工会議所ネット試験施行機関から、受験希望会場を検索しましょう。

2. 試験日・申込方法を確認
各ネット試験会場に申込方法や締め切り、受験料の支払い方法などを注意しましょう。
詳細は各ネット試験会場のHPに記載されていることがほとんどです。不明な点は、電話や窓口で問い合わせましょう。

3. 受験申込
規定の方法に従って申込を行いましょう。

▼ネット試験の申し込み方法について詳しくはこちら(公式HP
 ネット試験の受験方法

簿記3級試験の出題内容の改訂について

簿記試験では、近年出題内容の改定が頻繁に行われています。

改定事項をしっかり把握していなければ、「古い問題集で対策していた」「新たな制度が出題されたけど全く対策できていなかった」ということにもなりかねません。

独学の場合は、試験内容の改定には注意してチェックし、的確な対策ができるようにしておきましょう。

▼近年の簿記3級改定点

●2019年度〜 前提が個人商店→小規模株式会社へ変更
2018年度の試験までは、試験全体が個人商店の経理を前提として出題されていましたが、改定により、株式会社の経理を前提とした出題に変更されました。

●2020年12月〜 ネット試験の導入
ネット試験の導入により、全国の受験会場にて、随時受験が可能となりました。現在は、年に3回行われる統一試験と併用されています。

●2021年4月〜 出題数・試験時間の変更
大問5問→3問、試験時間120分→60分へと大幅に削減されました。この大きな変化で出題構成や問題の傾向も変わり、2021年6月・11月の試験では合格率20%代と大幅に落ち込みました。

●2022年4月〜 「収益認識に関する会計基準」が試験範囲に追加
「収益認識に関する会計基準」とは、「売上をどう認識し、いつ財務諸表上に反映するか」について定めた基準です。これまでは企業の裁量に任されていましたが、2021年4月から適用開始となり、簿記試験の範囲にも追加されました。

ここ数年だけでも複数回の改定が行われています。
今後も時代の流れとともに頻繁な改定が行われることが予測されますので、対策の際は常に最新版の教材を用いることを意識しましょう。

簿記3級試験対策の注意点

簿記3級試験対策を行ううえでの注意点をみていきましょう。

  • 最新版のテキストを利用する
  • 電卓の扱いに慣れておく
  • ネットでの過去問掲載は当サイトのみ(日本商工会議所 許諾済み)

それぞれ解説していきます。

最新版のテキストを利用する

上述で解説したような試験の改定に対応するため、テキストは必ず最新版のものを選びましょう。また、過去問を解く際も、2021年より前のものであれば、現在と出題数や傾向が大きく異なる可能性が高いため、注意しましょう。

電卓の扱いに慣れておく

簿記3級では、試験本番に電卓の使用が認められています。
短い試験時間の中で、スピーディーに解答するためにも、電卓を使いこなすことは必須です。
ぜひ本番を想定して、本番に使用する電卓を使いながら試験対策を行いましょう。

ネットでの過去問掲載は当サイトのみ

簿記3級の試験では、ネット試験が導入されているため、公式HPでの過去問の公表がありません。
(ネット試験では、同じ試験を受けている人の中でもそれぞれ異なる問題がランダムで出題されます。)

中には、ネット上に転載されているものもありますが、唯一、日本商工会議所の許諾を取得している過去問掲載サイトは当サイトのみです。

通勤時間や隙間時間でも、気軽に過去問演習、解答解説の確認ができます。

効率的な簿記3級試験対策に、ぜひご活用くださいね。

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簿記3級試験のまとめ

簿記3級試験の合格率や試験内容、取得のメリットなどを解説してきました。

簿記3級試験は合格率が約50%前後で、難易度は高くなく、独学でも合格を目指せる資格です。

ただし、近年では、会計制度の変更や時代の流れにより度々試験概要が改定されています。 今後も改定内容については、しっかりとアンテナを貼り、最新の対策を行う必要があるでしょう。